骨伝導式補聴器とは ~メリット・デメリットについて~

2023年7月13日木曜日

骨伝導式補聴器

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骨伝導式補聴器とは

メガネ型の骨伝導式補聴器を装着している女性の写真

「骨伝導式補聴器」とは、耳から周囲の音を取り入れる一般的な補聴器とは異なり、骨を伝って音を脳へ伝達する「骨導音こつどうおん」の仕組みを取り入れた補聴器です。

ですから、骨伝導式補聴器は一般的な補聴器に比べてメリット・デメリットが大きく異なります。

こちらの記事では、下記についてご紹介します。

  • 骨伝導式補聴器の仕組み
  • 骨伝導式補聴器の種類
  • 骨伝導式補聴器のメリット・デメリット
  • 骨伝導式補聴器の価格

<一般的な補聴器についてはこちら>

骨伝導式補聴器の仕組み

骨伝導の仕組みを説明したイラスト。詳細は後述。

音の聞こえ方には上記イラストのように2種類あります。
すなわち、空気振動による「気導音きどうおん」と骨の振動による「骨導音こつどうおん」です。

一般的な音の聞こえ方を気導音といい、耳から周囲の音を取り入れて脳へ伝達します。
一方、骨導音は読んで字のごとく、骨を伝って音を脳へ伝達することを指します。

<気導音と骨導音の音の伝わり方>

  • 気導音…耳介→中耳→内耳(蝸牛かぎゅう)→聴神経→脳
  • 骨導音…骨→内耳(蝸牛)→聴神経→脳

骨導音の仕組みを応用したのが、骨伝導式集音器です。

骨伝導式補聴器は感音難聴には使えない

難聴の種類を表すイラスト。詳細は後述。

難聴にはいくつかの原因がありますが、大きく分けると3種類存在します。
伝音でんおん難聴」、「感音かんおん難聴」、そして、両方の症状があらわれる「混合性難聴」です。

<難聴の種類と特徴>

  • 伝音難聴…耳の外耳や中耳に何らかの問題が発生した場合に起こる難聴
  • 感音難聴…耳の内耳やそれよりも奥の部分に問題がある場合に起こる難聴
  • 混合性難聴…伝音難聴・感音難聴の両方の症状が現れる難聴

骨伝導式補聴器は、内耳(蝸牛)や聴神経を通じて脳に音を伝達します。
しかし、これらの部位に問題がある感音難聴は、骨伝導式補聴器を使っても意味がありません。

なので、骨伝導式補聴器は次のような感音難聴に適しません。

  • 老人性難聴(加齢性難聴)
  • 突発性難聴
  • 音響性難聴
  • 騒音性難聴
  • 低音障害型感音難聴
  • メニエール病
  • ムンプス難聴
  • 先天性の難聴

骨伝導式補聴器の種類

骨伝導式補聴器は、4つの種類があります。

  • メガネ型
  • カチューシャ(ヘッドバンド)型
  • 埋め込み型(骨導インプラント)
  • 軟骨伝導型

それぞれを簡単にご説明します。

メガネ型

骨伝導式補聴器でメジャーなタイプとして普及しているのがメガネ型です。

一般的に、テンプル(つる)の先端にマイクがあり、先セル(耳を掛けるつるの太い部分)に振動端子が付いています。
振動端子で作られた音は、頭蓋骨を経由して内耳(蝸牛)に音を伝えます。

補聴器と気付かれにくく、度が入ったメガネとしても使えることが特長です。
しかし、メガネが重くなるといったデメリットもあります。

カチューシャ(ヘッドバンド)型

こちらもメジャーなタイプとして普及しているものです。

カチューシャやヘッドバンドのような形状をしており、頭に巻くように装着します。
動き回っても外れにくく、音の来る方向が比較的分かりやすいので、お子様にも安心して装着できます。

ただし、本体が大きく目立つというデメリットがあります。

埋め込み型(骨導インプラント)

補聴機能をもつインプラント(人工物)を頭蓋骨に埋め込みます。

インプラントを介して直接骨に音を伝えることができるため、従来の聴覚補償機器に比べて高い音まで明瞭に聞くことが可能です。
また、カチューシャ(ヘッドバンド)型とは異なり、皮膚に強く圧着する必要がないので、装着感のよさが特徴です。

一方で、手術を要すること、感染予防のための保清など日々のメンテナンスが欠かせません。

軟骨伝導型

耳の軟骨部に振動を与えて聴こえを補う新しいタイプの骨伝導式補聴器です。

耳かけ型補聴器と同程度の大きさなのに、聞こえ具合が非常に良好です。
カチューシャ(ヘッドバンド)型のように皮膚に強く圧着する必要がなく、耳に掛けるように装着するので負担がとても少ないです。

「外耳道閉鎖症」や「外耳道狭窄症」の患者さんに優れた効果が期待できるため、革命的な補聴器として有名ですが、比較的新しい機器のため高額になりがちです。

特徴は、耳の軟骨部分に軽く触れる程度に振動子を装着するだけで良好な聞こえを確保できることです。
軽くて目立ちにくくデザイン性にも優れ、もちろん手術も不要なので、患者さんの負担が少ないです。

骨伝導式補聴器のメリット・デメリット

骨伝導式補聴器にはさまざまなメリット・デメリットがあります。
以下にご紹介します。

メリット

耳穴に負担がかかりにくい

一般的な補聴器はイヤホンを耳穴に入れっぱなしになるので耳に負担がかかります。
一方、骨伝導式補聴器は耳穴を介さないので耳は疲れません。

騒音の中でも音が聞こえる

骨伝導式補聴器は、骨を通じて音を届けるので騒音の中でも聞こえます。
ただし、あまりにも騒音が大きい場合は逆に聞こえにくくなります。

周囲の音も聞こえる

骨伝導式補聴器は、耳穴をふさがずに着けられます。
なので、車のクラクションや電車の警笛などの大きな音は直接聞き取れることがあります。

タイプによっては目立たない

メガネ型は外見がメガネそのものなので、補聴器を着けていることが気付かれません。
軟骨伝導型補聴器は耳かけ型補聴器と変わらない大きさので、髪の長い方が着けると隠れます。

デメリット

感音難聴に対応できない

内耳に障害が起こっている人には、骨伝導式補聴器は効果ありません。

感音難聴の代表格は、老人性難聴(加齢性難聴)や突発性難聴などです。

高度な難聴に対応できない

骨伝導式補聴器は、高度難聴や重度難聴には対応していません。
高度な難聴に対応できないのが欠点です。

位置がずれると聞こえにくい

骨伝導式補聴器は、骨を通じて音を届けます。
なので、着ける位置がずれると音が伝わりにくくなります。

装着部が痛くなる可能性がある

骨伝導式補聴器は、音を伝えるために頭を少し締め付けるようにして着ける必要があります。

長時間も着けていると、装着部が痛くなることがあります。

骨伝導式補聴器も音漏れする可能性

骨伝導式補聴器でもボリュームを大きくすると音漏れの可能性があります。

音漏れの原因は、頭部の骨がスピーカー代わりになってしまうことです。
また、補聴器を適切に着けていないことも音漏れの原因になることがあります。

故障リスクが一般的な補聴器に比べてやや高め

骨伝導式補聴器は販売数や販売年数が少ないため、一般的な補聴器に比べて故障リスクが高いとされています。

ただし、ほとんどの骨伝導式補聴器は問題なく使えています。

取扱いメーカーや店舗が少ない、種類が少ない

骨伝導式補聴器は、種類が少なく、取り扱うお店も少ないです。
補聴器相談医から紹介された店舗では取り扱いがない場合もありますので、注意が必要です。

騒音がうるさいと聞こえない場合がある

耳をふさがない骨伝導式補聴器は、周囲の音が聞き取れるというメリットがあります。
一方で、周囲の音が大きすぎると聞き取りづらくなるというデメリットもあります。

大音量で聞くと、耳がダメージを受けやすい

耳を介さないといえども、大きな音を聞くと耳はダメージを受けやすくなります。

例えば、周囲がうるさいのでもっと聞こえるようにと音量を上げ続けると非常に危険です。
大きな音は難聴を悪化させる可能性があるので、注意する必要があります。

骨伝導式補聴器の価格

骨伝導式補聴器の相場は、20万円以上となっています。
一般的な補聴器に比べても高額なのは、販売台数がそれほど多くないからです。

例えば、骨伝導式補聴器のメジャータイプのメガネ型でも、2022年の販売台数は239台となっており、補聴器全体の出荷台数600,178台と比べるとわずか0.04%ほどとなっています。

参考:国内の補聴器出荷台数(2022年) |(一社)日本補聴器工業会

骨伝導式補聴器の購入の流れ

骨伝導式補聴器を取り扱っているメーカーは非常に少ないため、取扱店舗も限られています。

一般的な補聴器納入の流れは、耳鼻科(補聴器相談医)を受診して、そこから紹介される認定補聴器技能者のいる補聴器専門店で補聴器の相談をすることになります。

ただし、紹介された補聴器専門店では骨伝導式補聴器の取り扱いのない可能性が高いです。
なので、事前に骨伝導式補聴器を取り扱う販売店が近くにあるか確認するのが手っ取り早いでしょう。

補聴器を購入する際は、必ず耳鼻科(補聴器相談医)を受診してください。

補聴器購入の流れについては、「補聴器購入の流れ ~初心者が絶対に失敗しないための秘訣~」の記事をご覧ください。

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