補助金・医療控除等で補聴器を購入する方法

2021年4月13日火曜日

はじめて 補聴器

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当コラムは1982年創業、補聴器を販売して25年以上のインペリアル・エンタープライズ株式会社によるものです。補聴器の通販サイト「聞こえタウン」が運営するこちらのコラムは、初めて補聴器を購入される方・ご検討される方向けに、補聴器関連情報を分かりやすくお伝えいたします。 ショッピングサイトはこちらから

補聴器購入時に受けられる補助金とは

「難聴」は高血圧・肥満・糖尿病などとともに、認知症を引き起こす危険因子のひとつとされています。

そして「難聴」は認知症のもっとも大きな危険因子であるとされています。

「多少、聞こえづらいだけだから」といって難聴を放っておいてはいけないものなのです。

こちらのページでは、補助金などを受けて補聴器を購入できる3つの方法と、低価格帯で販売されている通販型補聴器についてご紹介いたします。

補聴器購入時に受けられる補助金の種類
  • 医療費控除の活用
  • 障害者総合支援法の活用
  • 各自治体の補聴器購入助成制度を活用する

順に詳しく説明しますので、条件が揃う方は前向きに検討してみてください。

医療費控除の活用

平成30年度から、耳鼻咽喉科(補聴器相談医)が発行した「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を店頭で提出して補聴器を購入した場合、自己申告制の確定申告によって医療費控除を受けることができるようになりました。

医療費控除は、医療費の自己負担額が年間で10万円を超えた場合に申請することができます。(所得が200万円未満の場合は、医療費の自己負担額が所得の5%を超えていれば申請可能)

確定申告による控除申請手続がやや面倒ですが、購入代金の一部が課税対象から減額されます。

例えば、課税所得280万の方が20万円の補聴器を購入して医療費控除を申請した場合、1万円が還付金として、1万円が翌年度の住民税減額として計上されます。

医療費控除の対象は補聴器だけではなく、診療・治療、ドラッグストアで購入した治療に必要な薬代など多岐にわたります。

控除額は課税所得によって異なりますので、自治体にお問い合わせいただくか、パソコン、スマートフォンから 国税庁のホームページにアクセスしてご確認ください。

医療費控除に適用する補聴器の購入・申請方法

補聴器の購入に際して、医療費控除は以下のように購入・申請します。

  1. 補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科を受診し、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を受け取る
  2. 「認定補聴器技能者」が勤務する「 認定補聴器専門店」へ上記1の書類を提出し、補聴器を購入する
  3. その際、診療情報提供書の写しと補聴器の領収書を補聴器販売店から受け取る
  4. 後日、確定申告で補聴器を医療費控除の対象として申請する

補聴器の医療費控除適用に関する注意事項

補聴器はどこで購入しても医療費控除が適用されるかというと、そんなことはありません。

特に、勘違いしやすい注意事項についてご紹介いたします。

  • 「補聴器適合に関する診療情報提供書」を記載するのは全国の補聴器相談医のみと指定されています
  • 「補聴器適合に関する診療情報提供書」の宛先である認定補聴器専門店の認定補聴器技能者以外から補聴器を購入した場合は、医療費控除が認められない可能性があります
  • 故障・紛失などで補聴器を再購入する場合も、上記1~4の通りの購入・申請方法が必要です。すなわち、補聴器相談医のいる耳鼻科を受診が必要となります
  • 障害者総合支援法で購入した補聴器は、医療費控除の対象になりません

参照) 補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」Q&A|(一社)日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

障害者総合支援法の活用

身体障害者手帳交付対象となる高度難聴と診断された方は、障害者総合支援法の適用を受けると、補聴器の自己負担額は1割負担で済むという制度です。

例えば、10万円の補聴器を購入する場合、自己負担額は1万円となります。

対象となる聴覚障害等級は以下となります。
級別 状態
2級 両耳の聴力レベルがそれぞれ 100デシベル以上のもの(両耳全ろう)
3級 両耳の聴力レベルが 90デシベル以上のもの(耳介に接しなければ大声語を理解し得ないもの)
4級 1.両耳の聴力レベルがそれぞれ 80デシベル以上のもの(耳介に接しなければ話声語を理解し得ないもの)
2.両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50パーセント以下のもの
5級 -
6級 1.両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの(40センチメートル以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)
2.一側耳の聴力レベルが90デシベル以上,他側耳の聴力レベルが50デシベル以上のもの
7級 -
引用: 身体障害者障害程度等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第5号)

補聴器購入に際する補装具費支給制度の活用方法

補聴器の購入に際して、障害者総合支援法による控除は以下のように申請します。

まず、自治体の障害福祉課から身体障害者手帳の交付を受けます。
その後、

  1. 障害福祉課で補聴器の給付申請書を申請する(障害者手帳、印鑑が必要)
  2. 自治体で指定された耳鼻科を受診し、医師に補装具交付意見書を書いてもらう
  3. 上記2の補装具交付意見書を「 認定補聴器専門店」で見せ、補聴器の見積書をもらう
  4. 障害福祉課に、給付申請書、補装具交付意見書、認定補聴器専門店の見積書を提出する

判定後、補装具費支給券を受け取り、補聴器販売店に持参して補聴器を購入します。

障害者総合支援法の適用に関する注意事項

  • 上記は一般的な補聴器支給制度の流れであり、各自治体により異なります。お住いの市区町村の「福祉課窓口」であらかじめご確認のうえ、手続きをしてください
  • 所得によっては例外もあります

各自治体の補聴器購入助成制度を活用する

自治体によっては、下記のように補聴器の購入に際して助成金を出してくれたり、補聴器を支給してくれたりするところもあります。

お住いの自治体でもこうした制度があるのかどうか、一度確認してみてください。

東京都新宿区の場合(令和5年4月現在)

対象者:70歳以上で聴力が低下した方
内 容:補聴器(「耳かけ式」または「箱型」、左右いずれか1個)を支給
負担額:2,000円
参照: 新宿区ホームページ

東京都葛飾区の場合(令和5年7月現在)

対象者:満65歳以上の方で、医師が補聴器を必要と認めた方
内 容:3万5,000円を限度に1回だけ助成
参照: 葛飾区ホームページ

東京都荒川区の場合(令和5年4月現在)

対象者:満65歳以上で聴力レベル40dB以上70dB未満の型
内 容:補聴器本体を25,000円まで助成
参照: 荒川区ホームページ

東京都足立区の場合(令和5年10月現在)

対象者:満65歳以上で聴力レベル40dB以上70dB未満(両耳とも)
内 容:補聴器本体を25,000円まで助成
その他:購入費用が助成限度額を超える場合には、超過部分は自己負担。満たない場合は、購入額額(千円未満切り捨て)が助成額。
参照: 足立区ホームページ

千葉県浦安市の場合(令和5年2月現在)

対象者:65歳以上の方で、難聴のために補聴器が必要であると医師に証明された方
内 容:3万5,000円を限度に1回だけ助成
参照: 浦安市ホームページ

大阪府箕面市の場合(令和3年9月現在)

対象者:市町村民税所得割の最多納税者の納税額が46万円未満のかた
内 容:補聴器の購入や修理にかかる費用を支給
負担額:0~37,200円
その他:購入費用が基準額(支給できる限度額)を超える場合には、超過部分は自己負担。
参照: 箕面市ホームページ

福岡県田川市の場合(平成28年9月現在)

対象者:市の対象要件を満たす方
内 容:助成対象経費と市が定める基準額を比較し、いずれか低い額の2分の1を助成
参照: 田川市ホームページ

番外編:通販での補聴器購入

番外編として、低価格帯の通販型補聴器についてご紹介します。

補聴器は、店舗型と通販型の2種類に区分されます。

店舗型の補聴器に比べて、通販型の補聴器は機器の機能を極力単純化して通信販売用にカスタマイズしているので低価格で手に入れることができます。

補聴器 店舗型と通販型の比較

店舗型 通販型
価格の目安(片耳) 5~50万円 2~10万円
販売方法 対面販売 非対面
アフターフォロー あり 保証のみ
医療費控除 可能 なし
障害者総合支援法の適用 可能 なし

通販型補聴器の場合、低価格だから品質が低いのでは? と思われがちですが、

  • オムロンヘルスケア社
  • オンキヨー社
  • ニコン・エシロール社

など世界で名を馳せる有名ブランドが手掛けています。

またその他にも、国産補聴器ブランドのミミー電子など、高品質な補聴器を輩出している実力派の企業ばかりです。

通販型補聴器と店舗型補聴器の違いを詳しく知りたい方は、「 通販型補聴器と店舗型補聴器の違いについて」の記事をお読みください。

通販型補聴器のメリット

通販型補聴器のメリットは、低価格帯で買えるところです。

補聴器の通信販売を手掛ける「 聞こえタウン」でも、19,800円から補聴器が購入できます。

店舗型補聴器が両耳で予算約30万円に比べれば、通販型補聴器は両耳で予算約6~10万円程度なので、ずいぶんとリーズナブルな値段です。

また、基本的な補聴器の種類である、「耳かけ型」「耳あな型」「ポケット型」はすべて取り揃えていますので、ご自身にあった補聴器を選べます。

通販型補聴器のデメリット

もちろん、通販型補聴器も以下の通りデメリットはあります。

  • アフターケアやメンテナンスを全て自分で行う必要がある
  • 細かな音量調節ができない

通販型補聴器を購入すると商品が届きますので、取扱説明書の確認、自分に合う耳栓の装着、電池のセット、音量調節など自分で行う必要があります。

補聴器は、その聞こえに慣れるまでにはある程度の期間、装着し続ける必要があります。

着けている最中に、高い音や特定の音が気になった場合でも、音域ごとの音量調節ができません。

また、困りごとや相談ごとがあっても、メーカーのお客様窓口に問い合わせるか、時には自分で調べて解決しなければならない場合があるかもしれません。

しがたって、そういったことが苦手な方は、店舗型補聴器の購入を強くおすすめいたします。

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